香港人と話して考えた言語についてのこと。

香港人と話して考えた言語についてのこと。

 

日本を出て初めて香港人とはなした。

香港・台湾は政治的に難しい位置づけの国だ。彼らをchineseと呼ぶのは配慮が足りない。もちろん、呼び方を気にしない人もいるが気を使った方が良いと思う。ちなみに台湾人をtaiwaniese(タイワニーズ)と呼ぶのは有名だが、香港人はhonkoner(ホンコナー)と呼ぶらしい。香港人から聞いたので間違えないだろう。

と豆知識を披露したが本題はここではない。ただただ覚えたての知識を披露したかっただけなのである。

 

そう、今回の本題は言語だ。

中国本土・台湾・香港は下記の通り言語と文字に違いがある。

中国本土 マンダリン・簡単な文字

台湾 マンダリン・難しい文字

香港 広東語・難しい文字

知人の香港人によると、広東語が現在ゆるやかに消滅に向かっているらしい。中国政府の意向により、香港の中国語の授業でもマンダリンを教えているからだ。いま香港人が広東語を使い習うのは家庭が主流らしい。しかし、中国本土からの移民も多く、そのような家の子は当然家庭でもマンダリンを使用するので、広東語を学ぶ機会がないそうだ。

知人ら言語の消失を憂いていた。

おかしいと言っていた。

私も悲しい気持ちになった。

 

一方でセブ島で見た別の事例も思い出していた。

フィリピンは7000以上の島から構成されていて、言語も多岐にわたる。わたしが滞在したセブでは、首都マニラのタガログ語・英語・セブアノ語(セブの言葉)の3種類を使っていた。

セブで仲良くなった同い年の友達は英語が一番得意らしい。親はセブアノ語が得意だけど、私と姉はいつも英語で話してる。そう語った。

若い人は日常会話はできるが、高度なセブアノ語を話せなくなってきているらしい。

そう語る彼女に悲しみを感じる事ができなかった。彼女は言語の緩やかな消滅を自然なことのように捉えているような気がした。

日本でも、味噌汁をおみおつけと呼ぶ人は少なくなったし、おおきに~と言う大阪人は上の世代だけらしい。

反対に、ヤバい・マジは市民権を得て一般に広く使われている。確かに、言語の移り変わりは起こっているのだ。

 

言語の消滅は自然なことなのかわからない。大多数の人が話す言語を使えたら便利かもしれない。ただ、世界中が来た言葉を話して、似た文化で生きることはつまらないなとはっきり思う。

そんな私も現在はワーキングホリデーの真っ最中で、英語とスペイン語と韓国語を少しづつ勉強中だ。海外にはたくさんの多言語話者がいて、自分の能力の低さに愕然とする。と、同時に自分は日本語だけはネイティブだとアイデンティティを見出すようになった。だから、海外に来たにも関わらず日本語の勉強も少ししている。

このはてなブログもその一環だ。

ネイティブジャパニーズスピーカーとして日本語の文章も魅力的に書けるようになりたい。